【ライブダイジェスト】 (文・木原健)
最初に登場いただいたのは「ボサノヴァ系?ソロユニット」ことcinnabomさん。スタンダードナンバーとオリジナル曲を取り混ぜてアコースティックギター一本で弾き語り。ボサノヴァの優しさと力強さを堪能。本堂の雰囲気を慈しむように演奏する姿と肩の力の抜けたMCが印象的でした。

次の登場はvol.1にも出演していただいたギターの西出さんと、トロンボーンの古池さん・バイオリン木下さんのユニット。前回同様即興演奏です。何を聞くか何を感じるかはあなた次第。三者三様の演奏が重なるとき、思わずぞくりとするような瞬間が訪れます。
再びDJの後に登場したのはギリシャからの来訪者ilios + as11。ラップトップから出てくるデジタルなノイズは心地よいゆらぎの中に文化の出会いの可能性も漂わせていました。日本ツアー終了直後、お疲れのところに合流していただいてありがとうございました。
なお今回は開演から終演に渡り、第2回目の誰そ彼にも参加いただいた梶高慎輔[ROOM301]さんと、遠藤正典さんにVJをやっていただきました。本堂の壁一面を使ってのビジュアルワークは今回も素敵でした。うっとり。今回PAで参加いただいた福岡功訓さんにも感謝です。次回もどうぞよろしく!
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【会場の雰囲気】
2004年9月18日、第四回目となる誰そ彼は三組のミュージシャンと二人のDJをお招きし、延べ200名の参加者で賑わいました。一足早くお彼岸を迎えたお寺には夏の終わりの快適な空気が流れています。
さて、この誰そ彼。ライブ以外にもさまざまな楽しみ方をすることができます。薄暗い中に香が焚き染められた本堂では寝転がってくつろぐ方あり、ほんのり光る阿弥陀像に手を合わせる方あり。生の仏教美術をじっと眺める方もあり。テラスに出れば談笑の場。お酒を頂くことも、お花見のようにおやつを分け合うこともできます。今回初登場の「彼岸バー」でお坊さんからビールを注いでもらうのもまた楽し。
日没後のひとときは法話タイム。「お坊さんにもアカウンタビリティはあります」「なるべくお酒を飲まない」など、若い僧侶ならではの普段着の法話を聞いていると聖職者の日常や仏の教えがずっと身近なものに思えてきます。
最後は読経。お坊さん三人のお経に一同唱和。大勢で声を出すこと、その声を聞くことは音楽そのものの喜びとも言えましょう。若い方のみならず外国から来られた方やご年配の参加者の声もあったのが印象に残りました。
終演後も会場は去りがたい雰囲気。笑顔とともにお寺の夜は穏やかに深まっていきました。
お越しくださった皆様、ご協力下さった皆様、有難うございました。このたびの誰そ彼時がどなたににとっても豊かなものでありますよう。
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